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黒の陽炎

著作 早坂由紀夫

『オーバーフロウ』


「……真白ちゃん、なんかこの間、私何かした?」
「え? いえっ! 大したことは……」
「う〜ん……思い出そうとすると頭が痛い」
「えと、思い出すほどの事なんて無いですよっ! ね?」
「なんだか大変な事をした様な気も……」
「気のせいですよっ」
「わ、腕に絡みついてきたら、む、胸が当たっちゃうよ」
「当ててるんですよ〜」
「そういえば真白ちゃんって、胸が弱いんだよね」
「……え?」
「あれ? 私、今何か言った?」
「い、いえっ。何も言ってないですよっ」
「なんか……頭が時々痛くなるんだよね〜」
「は……あはは〜、はは〜……」

 その後、凪の後遺症は一週間ほど続いたと言う……。

了