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White Feathers

著作 早坂由紀夫


エピローグ

――さあ、それでは新政権を発足し、
  旧政権をうち崩した立て役者、
  フィル首相にメッセージを頂きましょう。

「ああ、いやその……応援してくださった
 皆さんのおかげですよ」

――手記に、大切なのは認識を持つ事、とありますね。
    これはどの様な意味合いを持つ言葉なのでしょうか。

「一人一人が世界を動かす歯車の一部だって事を、
 それぞれが認識する事が大事だと言う意味です。
 つまり切欠を担っているという事ですね」

――ご家族は旧政権が原因で
  お亡くなりになっていると聞きましたが。

「これからはそう言った事がない様、
 治安部の体制や政府の基本指針を一新するつもりです」

――旧政権の独裁に反対し続けたという事ですが。

「ええ。一人一人の力は微弱なモノですが、
 皆が同じ意識を持つ事で何かを成せると……
 昔ある人に教わったんです」

――フィル首相自身が、旧政権の医療保護を
  受けておられたそうですね。


「子供の頃、悪性の腫瘍に悩まされていましてね。
 臓器移植の手術で命を救われたんです。
 これも治安部同様、どんな国民だろうと全ての人が
 そういった措置を受けられる様尽力するつもりです」

――これからの世界情勢はどう変わると思いますか?

「決して楽観視は出来ませんね。
 ですが、さっきも言った様に
 一人一人の考えで世界は変わるものなんです。
 僕一人の力は微弱なものでも、
 皆さんと頑張っていく事で必ず世界は変わります」

――最後に、フィル首相は、
  よくアスターの町はずれに赴くそうですが。

「ああ……あそこには僕の英雄が眠ってるんです。
 闘う事と、生きる事を教えてくれたヒーローが……」

END

 

 

 

 

 

 

〜後書き(ネタバレ)

執筆時間は半週間ほどでしょうか。
どうやったら説教臭くないかなぁ、と考えてました。
出来てみれば、そんな考えは水泡に帰すわけです。
考えるだけ無駄。説教臭い話だったわけなんで。
そこで私はむしろガンガン説教してやれ、とヤケを起こし……。

ちなみに戦闘描写は慣れてるんですが、
レベルに比例して無いというか得意ではないッスね。
本当はオリジナルの重火器なんて出したくはなかったですが、
気付いたら書いてたというか……ああ。
まあ、大まかな設定は悪くない気がしますけど。

当初より、タイトルから羽根を連想するのは当たり前なので
裏をかいて実は雪だったという事にしようと決めてました。
そこから残りの設定が言い訳気味に生まれたわけです。

クロスについて。
凄まじい人生を生きてるんですが、
その生命力の図太さは不自然なほどです。
きっと、元特殊部隊だったのでしょう。

フィルについて。
一番悩んだのがこのキャラでした。
少女の方がハマるなぁ、と思いながら、
この物語に女性は出てこない事を決めていたので少年に。
他にも裏切る予定だったり、悪性の腫瘍というのが
実は嘘だったりとボツネタ多かったです。

ウィナーについて。
意外と悪役の台詞は難しい……。
この人も、本当は最後にアスターで蘇って、
クロスと相打ちする予定だったり。
さすがにクロスの方が持たないのでボツに。
「三文劇団の役者はいつもチープでバタ臭い!」
そんなイメージです。

世界設定について。
その場のノリ。
サジタリウスについては特に参考はないかな。
血液の抽出量を決められるというのは、
一旦ラストまで書いてから出てきたネタですが。
治安部はあくまで国の一つの形に過ぎませんが、
何処へ行っても同じような感じだってコトです。
医療機関についても同様。
転送機については大して描写してないですけど、
あそこ辺りは想像に任せるという逃げ技使ってます。

コンセプト。
味方のいない主人公。余命短い者同士の友情など。
詰め込めるだけ詰め込むのが癖らしいです。
そんでは、ここまで読んで頂いた方、どうもです。

クリスマス短編3作の2作目でした。