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黒の陽炎

著作 早坂由紀夫

真白に魅せられて-02-』

 はぁ〜。吃驚した。
 まさかあんなに変わっちゃうなんて。
 ちょっと効果ありすぎだよ。
 心臓がばくばくして死んじゃいそう。
 でも……ああ〜っ、幸せぇ〜〜!
 はぁ〜っと吐息が零れる。
 こんな幸せな瞬間が来るなんて、生きてて良かった。
 凪さんに好きだなんて言われちゃったし。
 チャームの所為だって解ってるけど……嬉しい。
 後は夜になったら凪さんの部屋で。
「えへ……へへへぇ……あはははぁ〜〜っ」
 表情が元に戻らない。
 どうしよう、口元が綻びっぱなしだよぉ。
 よぉ〜しっ!
 こうなったら凪さんがチャームにかかってる内に、
 既成事実を作っちゃうぞ〜。

  そして夜。

 待ちに待った夜。
 私は布団をこっそり抜け出すと、
 外から凪さんの部屋へと歩いていく。
 こっそり窓の鍵を開けると私は凪さんのベッドへと向かった。
 ぷちぷちと自分のパジャマのボタンを一つずつ外していく。
「凪さぁ〜ん。来ましたよぉ〜」
 小さい声でそう言うと布団へと潜り込んだ。
 寝てる間に悪戯しちゃお〜っと。
 布団の中は暗くてよく見えないけれど、
 どうやら目の前には凪さんの首筋がある。
 私は上に乗っかるとその首筋をぺろぺろと舐め始めた。
「んん……」
 なんか色っぽい声だなぁ。
 凪さんの服を脱がせながら、少しずつ舌を降ろしていく。
「あっ、くっ……」
 感じてるのかな?
 顔を布団から出すと私はすかさず凪さんにキスをした。
 目を閉じて凪さんを感じる。
 唇、なんか冷たいなぁ……。
 私が今温めてあげますからね〜。
「んくっ……ちゅ……」
 昼にキスした時と何か違う気がする。
 震えたりして、反応が可愛らしい。
 私は目を閉じたままで凪さんの手を取った。
 そしてそっと私の下半身へと導く。
「ふっ……んん……ぷはぁっ」
 急に凪さんが身をよじってキスを止めた。
 不思議に思って目を開けてみる。
 すると……そこには、カシスさんが、いた?
「な、なんでカシスさんなんですかぁ!?」
「それはこっちの台詞なのっ」
「私は凪さんを夜這いに……」
「凪はたまたまベッドの二階で寝てるの」
「そ、そんなぁ……」
「危なく真白に犯される所だったの」
「な……そういうつもりじゃないですよっ」
 うっかりしてた。
 顔を確かめれば良かったぁ……。
 カシスさんとキスしちゃったよぉ。
 そんな時、凪さんが二段ベッドから降りてくる。
「……なにしてるの?」
「え……あっ」
 私とカシスさんの状況はそれは凄いものだった。
 二人とも殆ど下着姿で、身体を絡ませあっている。
 どう考えても危ない二人にしか見えなかった。
「真白ちゃん、カシスと浮気……?」
「えぁ……そういう話になっちゃうんですか?」
 凪さんの表情が見る見るうちに曇っていく。
 なんか泣き出しそうな顔してるんですけど……。
「どうせなら3人でするのもアリなの」
 カシスさんがとんでもない事を言い出す。
 さすがは悪魔、発想が怖い。
 彼女は私の股間に伸ばしたままの手を動かしてきた。
 身じろぎしてみるがしつこく中に手を伸ばしてくる。
「きゃ、何するんですかカシスさんっ」
「もしかして真白……処女なの?」
「そ、そんなの教えませんっ」
「そういう所が男受けするの。折角だから私が破ってあげる」
「え……えぇっ?」
 指を秘部の中へと入れようとしてくるカシスさん。
 私は両手でそれを防ぐ。
 すると彼女は舌先で人の胸を舐めてきた。
「きゃあっ、なにするんですか!?」
「ついでだから気持ちよくさせて上げるの」
「い、嫌ですっ」
 初めてが女の子となんていやぁ〜〜〜!
 逃げようにも動きが取れなかった。
 体勢が悪い上に、カシスさんは胸を愛撫してくる。
 舌と手でしつこくされると、
 初心者な私だって少しは感じてしまう。
「あっ……や、止めてくださ……い……」
「真白は胸が弱いみたいなの。凪、手伝うの」
 その言葉に従う様に凪さんが歩いてくる。
 も、もしかしてフォローもなく、
 私はカシスさんに犯されちゃうの?
 しかも凪さんと二人がかりでされたりして……。
 少しドキドキするけど……それだけは勘弁してぇ〜〜〜!
 と、そこで凪さんが彼女の手を掴んだ。
「カシス、貴方は何をしてるのよ!」
 凪さんは私の事をカシスさんから助け出すと、
 彼女の上に馬乗りになる。
 あ、あれ?
「全くもう……お仕置きだよ」

第三話へ続く